創業45年目 田山司法書士事務所

未成年者を守る法律 遺産相続の話

 
【未成年者が相続人にいる場合】



父親が死亡し、母親と17歳、12歳の子供が相続人として残されました。
この場合の相続はどのように進めればよいでしょうか。



未成年者が他人から土地を購入するといった様な法律行為をする場合は、親が未成年にかわって行うのが原則です。
両親ともに揃っていれば両親が、片方が死亡・離婚等で欠けている場合は残っている親が一人で行います。

しかし、父親の相続に関して遺産分割をする場合は、当事者に「母親」「17歳の子」「12歳の子」と
母親自身と、子の代理人としての母親がいる事になる為、子にかわって遺産分割を行う事が出来ません。
遺産分割という、いわば交渉のテーブルに一人の人が二重の資格で参加出来ない事になっているからです。


この場合母親は自分が出来ないので、「特別代理人」という、母親の代わりに遺産分割を行ってくれる人を家庭裁判所に申立、選任してもらう必要があります。

この特別代理人は、通常は、裁判所に選任を依頼する際にこちらで候補者たてて申し立てます。
特に司法書士・弁護士等の専門家に依頼する必要はなく母親の両親・兄弟等の親戚でもかまいません。

しかし、余り知られていないのは、この場合未成年者の子供に法定相続分額を渡すような遺産分割案を作成しないと基本的に裁判所で特別代理人の審判がおりません。

裁判所が手続きに関与するのは、自分で判断出来ない人の法律上の相続分を確保する目的もあるからです。


逆に法定相続分を確保すると返って未成年者に不利益が生じるような場合

例として母が相続すれば相続税の配偶者控除を受けられ、税の支払額が圧縮出来て未成年者にも先々利益があるという事を説明出来れば配偶者の相続分を多くするような遺産分割が可能な場合もあります。

また、17歳という成年に近くなった子供には
『このような遺産分割をするが意見はないか』というような確認を裁判所が行います。

既に判断能力がある程度はあると考えるからです。
概ね15歳を目処としてこのような取り扱いが行われています。





当所では、随時相続の相談を実施しております。
ぜひ、ご活用ください。
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